今回、蒸気ボイラーの更新工事の受注を頂きました。
更新に至った経緯は蒸気ボイラーの缶体破れによるもので、日常の水管理不足が原因でした。
蒸気ボイラーは水管理が最も重要で、管理を怠ると熱効率の低下だけでなく水管の破裂となります。
水管理のポイントとしては
① 給水の水が軟水であること
軟水とは、一般的に1ℓ当たり硬度成分であるカルシウムやマグネシウムの合計量が60mg/ℓ以下の物を言います。蒸気ボイラーに関してはさらに低い1mg/ℓ以下の軟水を使用しています。蒸気ボイラーの水を軟水とする理由は、カルシウムやマグネシウムがスケールとなって付着するのを軽減させる為で、蒸気ボイラーには軟水器が設置されています。
② 薬品は適量に注入されPHの数値は適切であること
PH(ペーハー)とは水素イオン濃度の略称であり、液体が酸性なのかアルカリ性なのかを表す尺度で、蒸気ボイラーの水(缶水)は腐食防止の観点からアルカリ性となるよう薬品により調整されています。又、PH調整だけでなくスケール分散の効果もあります。
③適度なブローができていること
蒸気ボイラーの水(缶水)は適度に入れ替えないと、溶解物質(蒸発残留物)がボイラー水の中で時間と共に濃縮していく為、ブローする必要があります。又、ボイラー底部には溶解物質がスラッジとなって溜まりやすくなる傾向があります。
今回その中の「③適度なブローができていること」に関して、ボイラーの水(缶水)を自動でブローできるよう自動弁を取り付けました。
メリットとしては自動管理により管理者の手間の削減、又良質な水質管理を維持しつつ無駄なブローをなくし水及び薬品の節約となりコスト面でも軽減できると思います。
デメリットとしては、自動弁の動作不良やゴミ噛みによりボイラーの水(缶水)がブローされたままになる恐れがありますが、自動弁の定期的交換や定期的な点検により未然に防ぐ事が出来るので心配ないと思われます。
蒸気ボイラーを効率よく運転し、長く使用出来るかどうかは日頃の日常管理に掛かっていると言っても過言ではありません。今回は自動ブローに関しての紹介でしたが、その他定期点検・修理・工事等、蒸気ボイラーでお困り事や相談等あれば弊社まで御連絡お願い致します。
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